お昼前。
今日はメンクリの日。
最近ハイボールに慣れ過ぎたせいか、飲む量が増えている。
妻に「焼酎のように飲みだした」と言われた。
たぶん、6杯以上は飲んでいる。
二日酔いもあまりない。
耐性がついちゃったのかも?
昨日書いた作業所の思い出だが、流れでいい事があった。
それはヤマジュンの本を僕が作業所に持ってきたことで、ある利用者と仲良くなったことだ。
イケボで通っている子なので、ボーくんという名前にしよう。
開所したばかりということもあって、当時仕事がなにもなく、みんなボーッとしていた。
というか、精神疾患を抱えている人は経験があるかもしれないが、みんな精神科の薬を飲んでいるから作業所に来ても、
副作用で寝ちゃう。
これは飲んだことないと、ちょっとわからないと思う。
僕も未だに二度寝しないと、しっかり一日活動を取れない。
正直、無理していたと思う。
んで、開所してしばらくちゃんと毎日来れるメンバーは限られてくる。
みんな遠いところから来たり、疲れたり、単にキツいのだと思う。
そんな中、僕とボーくんはほぼ毎日来ていた。
最初は互いをさんづけして、年が20ぐらい違うので、敬語で話し合っていた。
だが、親交を深めるために、僕は「タメ口にしない?」と提案し、彼もそれをのんでくれた。
しかし、僕が中年なので、どうしても距離感が生まれる。
その間をブチ破ったのが、僕が持ってきたヤマジュンだった。
作業所でなにもやることがないので、彼は僕の持ってきたヤマジュンを何回も何回も読みふける。
フーさん以上に。
穴が開くくらい。
たぶん、毎日4時間ぐらい読んでいたと思う。
僕が隣りに座ると、彼がイケボで言う。
「ウホッ、いい男!」
それも大きな声で、堂々と。
僕はそれを聞いてゲラゲラ笑う。
すると彼も調子に乗って
「いいのか? 俺はノンケまで食っちまう男だぜ?」
と叫ぶ。
笑っているのは僕と彼だけで、他の利用者さんたちは静まり返る。
悪ノリが始まって、僕も乗っかる。
「やらないか?」と言うが、彼が否定する。
「違うよ。もっと腹から声を出して……やらないか!?」(イケボ)
「こう? やらないか?」
「いや、もっとだよ。やらないか!?」
それをかれこれ20分以上二人で繰り返していた。
フーさんは近くで他の利用者さんを指導していたが、気になるようで、僕たちのやり取りをチラ見していた。
もっと悪ノリが過ぎて、僕とボーくんの二人は、作業所の目立つところにヤマジュンを置こうと言いだした。
んで、運営の幹部に見せつけてやろうと。
だが、ある朝、作業所に来たら閉まってあった。
それを見て、僕が言う。
「あ、なんで閉まってんだよ! ボー!」
すると彼が答えた。
「俺じゃないよ」
フーさんが申し訳なさそうに言った。
「味噌村さん、ごめんなさい。お客様が来るから目立たないようにしました……」
「あぁ……そうでしたか」
そして、また僕とボーくんは入口付近で、音読したり叫んで遊ぶ。
だが、作業所には未成年の方も見学に来ることがあるので。
愛読していたボーくんも、その時だけは、本をバタンと閉めていた。
所長が苦笑していた。
今はどうかわかりませんが、当時はそんな作業所でした。
ではまた!